いつも数百円で飲んでいるコーヒーの背景にはどんな世界が広がっているのか、考えたことはありますか?
普段たくさんの人に消費されているコーヒーの原価率は、実はとても低いのです。
日本を含む先進国ではコーヒーの価値はしっかりと評価されていて、1杯400円弱が現在の日本の平均価格です。
一方で、主に発展途上国から仕入れるコーヒー豆(アラビカ種)の価格は、コーヒー1杯(焙煎豆10g)あたりわずか9円ほどです。(※2022年4月時点の国際相場価格及び為替レートより算出)
つまり、その原価率は2%にも及びません。
しかし、これはビジネスとしてのコーヒー産業への批判ではなく、消費者である皆さんへの訴えでもあります。
なぜなら、消費者側にも「つかう責任」という考え方がSDGsの根本にはあるからです。
先進国では正当に評価されているコーヒーの付加価値ですが、それが作り手である発展途上国のコーヒー農園に還元されていないのは不自然と言わざるを得ません。
そこでTAIVASでは、もう少しコーヒー産業について深掘りし、皆さんが知らないコーヒーの世界を定期的にこういったコラムでお伝えしていきます。
しっかりと世界から評価されているコーヒー農園もある
ここまでは、コーヒー業界を批判するようなニュアンスで書いてしまいましたが、世界にはしっかりと評価されているコーヒー農園もたくさんあります。
この生産者さんの写真は、私たちTAIVAS COFFEEで取り扱っているコーヒー豆を生産するペルーのコーヒー農園からのものです。
アメリカのスペシャルティコーヒー協会からも高い評価を受ける農園で、国際相場価格の2倍以上の価格で取引しています。
ペルーの物価相場からしても、この価格であれば農園は十分な収入を得られています。
ここまで農園が育つと、当然コーヒーを生産するモチベーションにも繋がります。
こういった農園が増えることでコーヒー産業はサステナブルな産業へと成長するわけですが、どのようにすればこのような農園を増やすことができるのでしょうか?
良質なコーヒーを積極的に選ぶことでコーヒー産業は生まれ変わる
消費者が良質なコーヒーを選ぶことが普通になれば、コーヒー産業は生まれ変わります。
コンビニの100円コーヒーや徳用コーヒー、さらには缶コーヒーなど、日本では1杯100円程度でコーヒーを簡単にいただくことができます。
しかし、そういったコーヒーの原材料となる生豆を生産している農園はどういった環境にあるのでしょうか?
そういった疑問を持つことは、昨今のトレーサビリティの観点からも重要だと私たちは考えています。
作り手の笑顔が見える。作る幸せを感じながら生産されるコーヒー。
そんなコーヒーを選ぶことも、消費者の皆さんにはぜひ考えていただきたいと思っています。
このままでは本当に美味しいコーヒーが飲めなくなるかもしれない
世界のコーヒー農園は、自分たちの力で販路を開拓する力を持っていないところがほとんどです。
そのために、巨大な販路を抱える仲介企業などから言われるがままに買い叩かれ、安価なコーヒー製品が生まれています。
これは決して、サステナブルで健全な取引とは言い難く、このままでは品質にこだわった本当に美味しいコーヒーが飲めなくなっていくのではと私たちは危惧しています。
良質なコーヒー豆を手間ひまかけて生産して高く売ったところで、需要や買い手が見つからずに安売りしてしまうようでは農園としては生産する意味がなくなってしまいます。
あまり批判的なことは発信したくありませんが、これがコーヒー業界の常識なのです。
TAIVAS COFFEEでは、農園への適正な還元を目指して高品質なコーヒー豆の取引を行なっています。
今後も私たちは、定期的にコーヒーに関するコラムを発信していく予定です。
一緒にコーヒーについて勉強し、「つくる責任。つかう責任」について追求していきたいですね。