ソトアソビにチルを。

LIFESTYLE

自分らしいヨガを楽しむ。自分の真ん中を探す旅へ

ヨガが瞑想だけだったら、やってみようという気にはならなかったように思います。

あの時の私には、瞑想は遠い遠い世界の話でしたから。

いずれにしても、じっとしていることは動くより難しい。

昔デスクワークをしていた話は前にもしましたが、そのラストの方、特に精神的にピークに参っていた頃。

今まで当たり前だった、ただ座って仕事をするだけで辛くなっていました。

頭が忙しくてすぐに集中が外れ、思考のぐるぐるに溺れて窒息しそうになるのです。

嘘みたいな話ですが、気をつけていないと涙が勝手に落ちてきます。

立ち上がって少しでも歩きたい。この感覚はどうしたものかと、オフィスでひとり混乱していました。

 

『身体が動く速度と、思考は連動している。』

ヨガのクラスの動きが少ないことによって、不安を感じる方がいらっしゃいます。

あまりにも動きが速い方も同様、なるべく視界に入れて注意を払ってガイドをします。

声をかけたり、ちょっと触れたらポーズから抜けてしまったり、他の人の立てる音に反応し過ぎていたり、

早口だったり、無口過ぎたり、呼吸が止まりやすかったり、浅い場合も同じです。

無意識にも緊張されているか、事情があってストレスを抱えながら練習しているかも知れません。

これはダイビングのインストラクターだった頃、先輩から指導されたことでもあります。

しかし、インストラクターは生徒さんの日常全てを知っている訳ではありません。

私に出来ることは提案で、ジャッジメントではありません。

一番良く知っているのは生徒さん、あなた自身なのです。

鬱々とした顔でジムから出てくる人があまり居ないように、動くことは一般的にストレス発散になります。

とはいえ何にでも良い塩梅、過不足のない真ん中というものがあります。

やっと本題、今回はアサナ(ポーズ)への取り組みについて、個人的な考えを書いてみようと思います。

有名な「頑張らないのがヨガ」というのは、1+1=2の、「2」のようなものですね。みんな聞かれたらすぐに答えられます。

でも、なぜ「2」になるのか。

そこでやっと見つけた答えが、1×2や100÷1になっても応用できるのか、破綻しないのか、自分なりに検証していく。

すると、それすら妥協なく行き過ぎたものでもない、静かで頑張らない状態でしか検証出来ない。というジレンマに気づいてしまいます。

さらに、身体を動かすということは、普段は忘れていた感情を揺り起こしてしまうこともあり、もしそれが苦しいものだったら、より冷静でいたい。

その中で生まれた気づきを通し、閉じ込めていた本来の自分と繋がるためには、何を捨て、何を受け取るのか。自分の力で気づいていくチャンスを作る。

このように、人生のある時期や今までの価値観を見直してみる。違う視点を手に入れるというのは大事なことかも知れません。

ゆえに逆立ちの練習のように、足りなかったり行き過ぎたりする体験にもちゃんと意味があって、その中で自分の真ん中をじっくり体得していく。

この長い長い紆余曲折がヨガなのかなと。アサナはそのための効果的な手段なのですね。

慣れてきた生徒さんにはある程度任せ、自発的な練習の場を作りたいと思っています。

万が一行き過ぎた場合も、陰陽の法則ように自然に戻ってくるのをじっと待つのは私の練習です。

“説明不能な事は、説明不要な事”というのも頭の片隅に置きつつ

私は私で自分の真ん中を静かに見つけていくことに真剣でいたいと思います。

そしてこれからも、そういう仲間とヨガしていきたいのです。

ちょっと難しくなってしまいましたが、興味があったらまず行動ということで、

何から手を付けていけば良いのかと言えば、「太陽礼拝」ではないでしょうか。

サンスクリット語で、SuryaNamaskar(スーリヤ ナマスカーラ)

スーリヤとは太陽で、ナマスカーラというのは祈りという意味です。

英語ではSun salutation(サン サルテーション)と呼ばれ、身体のベース作りに最適な呼吸と共に動くフローになります。

流派によってさまざまな種類があり、私のクラスでやっているのはNYのダーマヨガ、そこから派生したBORN TO YOGの太陽礼拝です。

いくつかの動きを呼吸が先導してくれる爽快感を味わえ、動的ストレッチにより大きな力が生まれやすくなります。

背骨を滑らかに動かすことで自律神経系が整い、規則的な動きで集中が高まって瞑想的な感覚に。

響きひとつひとつを感じられるよう、ゆっくりやっていくのが好きです。所作をゆっくりすると気持ちが落ち着くからです。

そのぶん呼吸が足りなくならないように、腹の底から深く出し入れして下さい。その呼吸がまた身体を導いてくれるはずです。

そんな太陽礼拝には、ひとつエピソードがあります。

BORN TO YOGのティチャートレーニング中、「ポーズが馴染んでいない」と師匠のベジに言われたことです。

ポーズが私に馴染む?その感覚はとても新鮮で、シンプルとは奥が深いと感じさせてくれました。

太陽礼拝は全体でひとつのアサナと感じながら、特に繋ぎ目が滑らかになるよう、今でも集中して動いています。

アサナは祈り

ダーマ先生も仰っています。

頑張らなきゃいけない時もあります。

ヨガの練習だけでなく、生きること全部。

思いもよらないターニングポイントは、これからいくつもやって来るでしょう。

だから燃え尽きることもなく、ありのままであり、タフであり、淡々と練習する楽しさを知っている。

そんな、自分のメンタルを維持する体力くらいは持っていたいものです。

ひとつのことを極めるのが得意な男性性と、いろんなことに興味を持てる女性性。

性別関わらず、陰陽どちらの要素も内側に持っていますから、まずはこの才能を認めて好きをやってみる。

頑張るほどに心が疲れるようなら、立ち止まる勇気も持って。

何に気付くためにヨガをしているのか?そんな自分らしいヨガの旅を楽しめるといいなと思います。

最後に「太陽礼拝」の動画を貼っておきます。

前回までの連載コラムはこちら👇

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Tsuruoka Akiko -aki-

Tsuruoka Akiko -aki-

ヨガ講師

ハワイ州マウイ島のヨガアカデミーにて、全米ヨガアライアンスRYT200を取得。帰国後は東京から千葉県九十九里に拠点を移し、ヨガメソッドBORN TO YOG のトレーニングを首席で卒業。総本山であるNYにも修行に行きつつ、中医学をベースにした陰ヨガと合わせ、千葉や東京を中心に活動。現在はReebokONE Elite、LindaWorks、バリ島miikyoga各ブランドアンバサダーとしてライブ感のあるレッスンを展開しています。

  1. 自分らしいヨガを楽しむ。自分の真ん中を探す旅へ

  2. 正解は求めない。あなたが知らない「ヨガ」の奥深さ

  3. 「今ここ」に集中し、陰と陽のバランスを整えるヨガの本質

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