ソトアソビにチルを。

LIFESTYLE

なぜ農という道を歩むことにしたのか

どの業界でも言えることだと思いますが、10人いれば10人それぞれの哲学があり、表現の仕方があります。

同じ職場で働いている同僚が全員同じ目的・理由を持って入社することなんてないように、それぞれ違うビジョンがあります。

農業で言えば、僕の畑は、米・大豆・小麦を転作して慣行栽培をしている農家さん達に囲まれています。(転作とは、同じ農地でそれまで生産していた農作物とは違う種類の農作物を生産することです。)

皆様大きな機械で土を耕し、大きな機械で作物を収穫されていて、一見同じことをやっているように見えるのですが、実はそれぞれ違う考え方をされており、栽培アプローチも異なります。

前置きが長くなりましたが、それと同じように、僕にも自分なりの考え・想いがあり、数年前までは興味・関心すらなかったという道を歩むことにしました。

今回はその理由を、経緯を説明しながら簡単にお話させていただければと思います。

実家は農家

実は、実家は農家で、小さい頃からおじいちゃん、おばあちゃんが忙しそうに農作業をしているのを身近に見てきました。

ある程度の年になると、田植え・稲刈り等々のビックイベントには帰省してまで嫌嫌手伝うということもありました。

田舎育ちの農家出の方であれば、同じようなことを思った方もいると思うのですが、僕自身ずっと農家だけにはなりたくないと25歳ぐらいまで思っていました。

環境問題への関心

大学生の頃にアメリカに留学をしていたり、社会人になってからも様々な国に出張させてもらった経験から、それまでにはない価値観に触れ、物事をもう少し大きな枠組みで考えるようになりました。

そして、大きな変化の一つに、環境問題への関心がありました。

知らなかった事実を知ることや、状況を自分の目で見てきたことで、なぜか責任感が生まれ、自分には何かできることはないかと考えるようになりました。

Patagoniaからの影響

多くの方がご存知のアウトドアブランド “Patagonia”。

僕は、Patagoniaが大好きです。

ずっと昔から環境保全に取り組んできたPatagoniaが、2019年にミッションステートメントを更新しました。

以前の、「最高の商品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」という内容から、私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営むという衝撃的すぎる内容に変わりました。

それ以来、Patagoniaへの愛はさらに膨らみ、YouTubeを観漁り、記事を読み漁るということをしていると、ある動画に辿り着きました。

この時、人生で初めて「農」という世界に興味を持つようになり、その道への選択肢が生まれました。

ピンチはチャンス

そんな関心を抱いた「農業」ですが、調べれば調べるほど農業が抱える問題点が多く見つかり、自分の大きな関心事でもある環境問題と密接に関わっていることを知りました。

同時に、気候変動、生物多様性、水問題など、色々な側面で環境に負荷を与えてしまっている現代農業とは違った、環境に負荷を与えない方法(環境再生型有機農業のような)で食を生むことで、逆にプラスのインパクトを与えるポテンシャルを農業は秘めていると知りました。

環境破壊に手助けしていた側から、環境破壊を食い止め、さらには修復することを期待できるということは、よく言う「ピンチはチャンス」だなと思います。

決め手はこれ

環境問題に関心があった身としては、持続可能かつ、再生・修復させることができるという点に最も魅力を感じました。

再生とは、言葉の通りなのですが、ダメージを受けた場所や環境を以前よりも良い状態に修復してあげよう、というのが大きな意味合いです。

気が付けば、ミツバチを代表とする送粉者が劇的に減り、あらゆる雑草など植物が生い茂ることのできる場所が減り、そしてそこを住処とする生物までもが減っていきました。

さらに言えば、土壌という目に見えない場所に生存する微生物までもが、化学農薬などの影響でダメージを受けています。

そんな微生物たちは、普段生活しているだけではなかなか気付くことができませんが、我々と密接に繋がっており、非常に重要な働きをしてくれています。

化学農薬などを使って虫や草や微生物たちを隅に追いやるのではなく、循環しあい、全てが生き生きと過ごせる場所を、食料を作りながら修復していくことができる農業に、僕は未来を感じました。

最後に

環境問題への関心から始まり、Patagoniaから環境問題と農との関わりについて教えてもらったことをきっかけに、最もなりたくなかった職業が、最も興味のある職業となりました。

命の源である「食」を作る職業でもあり、多様性を育む「土」を作る職業でもある『ファーマー』って、むちゃくちゃカッコいいなと感じました。

地球には息を呑むほどの絶景があり、感動を与えてくれる未知の世界があります。

そんな地球を守ることに貢献したいという想いで、この道を歩むことにした、というのが僕の理由になります。

細かい情報をだいぶ端折りながらここまで書いてしまいましたが、最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。

今後は、それぞれの言葉やテーマに焦点を当てながらさらに深堀りしていき、農ライフ・環境問題との関係・野菜栽培・土の話、などなど少しマニアックなテーマも含め、面白く楽しく発信していければと思っています!

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Hagi Ryutaro

Hagi Ryutaro

ファーマー(AINA FARM園主)

2020年6月に、生まれ育った故郷である三重県菰野町に東京からUターン。3ヶ月後の9月に新規就農し、AINA FARMを始めました。現在は、環境を再生させる農業に取り組みながら、少数多品目の野菜栽培及び販売をしています。「農を通じて、人に、社会に、未来に何が残せるか」をテーマに日々活動中!

  1. 個人レベルでできる環境アクションって何だろう

  2. 自然農法に挑戦するAINA FARMとは?

  3. なぜ農という道を歩むことにしたのか

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